先月、社内向けにアジャイル・スクラムのワークショップをやりました。
好感触だった&良いコンテンツだったな〜と感じているため、共有します。
なぜやろうと思ったか
自分が転職するということもあり、自分のチームのプロダクトオーナーが私からCSの方に変わるので、アジャイルやスクラムのインプットが必要になったためです。 また、アジャイルやスクラムの話題に興味があり、スクラムフェス大阪2024に参加する別チームのメンバーが「参加するにあたってなにかを予習しておいた方がいいかな?」と悩んでいたのをtimesでキャッチしていたのでせっかくなら一緒にやろう!と誘いました。
社内で1番アジャイルとかスクラムを推進してきた身として置き土産を残そう、と思い、自分のチームメンバー・他のチームメンバー合わせて10名弱くらいで「Scrum Party!!」と称して2時間半のワークショップをやることに決めました。
やる目的・ゴール
今回Scrum Party!!に参加するメンバーの知識やコンテキストには、かなりのばらつきがありました。
この知識レベルがバラバラの参加者たちに対して、どうやったら置き土産ができるかな、と考えるところから始めました。
私がこのワークショップを通して置いていきたいお土産は「スクラムの手法をきっちりインプットする」ということではなく「なぜスクラムなのか/なぜアジャイルなのか」のマインドの面の形成でした。 参加者の中には「形だけスクラム」になってしまい、あまり旨味がわかってない、と吐露してくれたメンバーもいました。 私も「形だけスクラム」の経験がありましたが、そこから色々学ぶ/実践するうちにようやく「WHY」の部分を掴んでいきました。 ここの「WHY」の部分をコスパよく参加者たちが掴めたら良いな〜という思いがありました。
やったこと
適宜休憩を挟みつつ、以下のようにコンテンツを組みました。
- スクラムワークショップ -Vol.04 紙飛行機ワークショップ / 開発者向けブログ・イベント | GMO Developers(70分)
- Regional Scrum Gathering Tokyo 2023 - ソフトウェア開発関係ない人向けに作ってみた、アジャイルにものを作るってどういうことか? | ConfEngine - Conference Platform(60分)
- アジャイル/スクラムの話 by asumikam(20分)
コンテンツを全て自作するのは時間が足りなかったのでインターネットで調べたものや、既にある情報をたくさん使わせていただきました。 素晴らしいコンテンツを公開してくれている方達には頭が上がりません。本当にありがとうございます。
それぞれ詳しく見ていきます。
スクラムワークショップ -Vol.04 紙飛行機ワークショップ
せっかく長い時間を抑えているのでチームでちょっとしたスクラム体験ができるといいな・・・とインターネットの海に溺れていたところ、成瀬(@nrslib)さんが考案したこちらのワークショップがヒットしました。 「紙飛行機か・・・どうやるんだろ・・・👀」と興味本位で記事を読んでいったのですが、最後まで読み終わった時「めっちゃ神コンテンツ!!!!!!!」と口角が上がるのを抑えられませんでした。私がやりたいであろうこと、全部詰まっている、と感動しました。
特にこのコンテンツの優れている(いた)のは 途中のスプリントで制限事項を変更し、「不確実性」を実現する部分 です。 このルールがめちゃくちゃ神がかっている・・・。 私は「制限事項の変更」に加えて「チームメンバーが入れ替わる(その後戻る)」という「不確実性」をアレンジしていれましたw あっちのチームにいって得た技術を取り入れようとして試してみたらうまくいかない、のようなことが起きていて、めちゃくちゃ趣深かったです。
「不確実性」が実施前にメンバーにバレるといけないので資料の共有などはしないようにしました。
ソフトウェア開発関係ない人向けに作ってみた、アジャイルにものを作るってどういうことか?
かわぐち(@kawaguti)さんのこの登壇の動画をみんなで見て感想戦をしました。 前半部分の「ソフトウェアがどうしてどのようにレベルアップしてきたか(つくられてきたか)」から、後半部分の理論の部分のつながりがドチャクソ気持ちよく、また、「ソフトウェア開発関係ない人向け」とあるように、スクラム/エンジニアリングを全く知らなくても十二分のアジャイル/スクラムがなぜ良いか、が伝わります。
また、前段階でやっていた紙飛行機のワークショップでの自分の体験とリンクするところもあったので、めちゃくちゃ「経験主義」らしく、この動画を見られたな、と思います。
アジャイル/スクラムの話 by asumikam
最後にちょろっとだけ、スクラム手法の話や自分のおきもちを話しました。
- アジャイルとは何か
- スクラムとは何か・手法の説明・登場人物
- 要はプロダクトづくりに適したPDCA(難しく考えすぎないでOKという発信)
- よくある質問(架空)に答える
- なぜスクラムなのか
- 完璧にスクラムに則る必要があるか
- なぜスプリントは固定なのか
- 呼吸をつくるため/短距離走を何度も繰り返す/各人の予定が抑えやすい
- なぜスプリント期間は一定なんですか? | Ryuzee.com
- レトロスペクティブをやってみよう
- 1番学んだこと
- この先やってみること/ネクストアクション
ここのパートでasumikamの気持ちの置き土産ができたかな、と思っています。
アンケートを取ったので公開・回答していく
良かったこと・学んだこと
- 今までinputだけで、知識としての「アジャイル」「スクラム」を知ってるだけでしたが、人生で初めて「これがアジャイル...!」という実感をすることができました。
- 短時間でスプリントが経験できて、シンプルに面白かったです! 短時間でどんどん改善していくということが直感的に体感できて、改善を直感的に感じられました。
- チームで同じ目標に向かうは楽しいこと。飛行機を飛ばすのでさえ面白かったので。
- イテレーションごとに改善でき、その中でどんどん成果が出せたのが良かった。スクラムのエッセンスが学べる良いワークショップだった。
- 早くサイクルを回す方が方向転換しやすいのは感覚としてわかってたけど、ヒコーキワークショップが3分*5回じゃなくて、15分まるまる終わった後に初めて飛ばしてたら...と考えて、それを開発に置き換えて想像してゾッとしました。
- スクラムはスピード感があったり、修正が効かせやすかったりとメリットを感じた。しかしそれと同時に実行難易度は高そうだとも思った。
- スプリントの回し方、他のところから優秀な人材を派遣することでの変化、その人がいなくなったときに、分かったつもりになってしまったとき、次に活かすことの難しさ。
- デイリースクラムは、スプリントゴール達成のために何ができるかを逐次考え直す、作戦会議の時間である。全員が等しく能力を高めることで最大の成果を上げやすくなる
- 分かり形で伝えていく力、スクラムの言葉を使わずにいいものだって思えるやり方もっと知りたいなと思いました、めっちゃいい体験でした。
もっと学びたいと思ったこと/質問
せっかくなので回答していきます。
こういうゲームの内容を、どういう風に考えたら良いのかを知りたいです!
まずは「何を伝えたいか/ゴールとして何を得て欲しいか」があって、その後にじゃあどのコンテンツがいいかな〜って考えるところですかね。
とはいえ、コンテンツ主導の時もありますが! そうなっても「じゃあなんでそれをやるのか」の目的の部分をしっかり作るようにしています。
あとはインターネットの駆使!!!!!!!インターネットありがとう、インターネットに公開してくれているみなさま、本当にありがとう・・・。
タイムマネジメントのこつあれば
チームの文化として「時間を守る」をつくることだと思います! そのために「アラームをつける」「時間の区切りをしっかりつくる」「その時間の区切りで適切かを考える」「バッファの時間をとっておく」「コンテンツの時間を無駄に伸ばさない」とか、ありそうです。
大きな影響範囲のものを小さく壊さずに改善していくやり方は学んでみたいかも。
めっちゃ良い問いだ!!! 私だったら、勉強会やカンファレンスにいって、そのような発表をしている人のをみにいく/実際に話しかけにいく(相談する)、をやりそうです。
私は最初にそーだいさんの顔と資料が浮かんだのでたくさん貼っておきます。
アジャイルへの理解は深まったけど、アジャイルの中でも「なぜスクラムが人気なのか」、世の中にはフレームワークがいっぱいあるはずなのに、正直スクラムくらいしか聞いたことがない。他との圧倒的違いはなにか。
アジャイルの他のフレームワークで私が学んだものでいうと「エクストリームプログラミング」や「カンバン」があります。 プラクティスと手法が紐づいていないだけで、XPでいう「ペアプロ」や「テストファースト」なんかは、やっていたりするんじゃないかな、と思います。 あとは「カンバン」で管理しているのもやっていると思うし。
「アジャイル開発手法 一覧」とかで調べてみるとこんなのもあるのか〜と学べるところがあるんじゃないかな、と思いました!
圧倒的違いについては、正直私自身が「スクラムが圧倒的人気だ」と思っている部分がないので、答えるのが難しいです🧐 強いていうなら、「asumikam自身が最初に学んだのがスクラムで、それを社内に布教している」というバイアスでそう見えている部分はあるのかな〜と思いました。
初めて聞いた時に理想的ではあるがめちゃめちゃむずそうだと思ったので、アジャイル開発やスクラムがうまくいく要素やうまくいかない原因などを知って自分の動き方のイメージを持ちたいと思った。
「うまくいってないところ」を洗い出すためにスクラムがある、のかな!と思います。
また、アジャイル開発やスクラムをやりたいのではなく「プロダクトをマジで最高にする」というのが第一の目標で、それを達成する手法として「スクラム」があります。 「プロダクトをマジで最高にする」の部分の意識合わせをチームでする→それを「上手にやる」ためにスクラムがある→うまくいかない場合、プラクティスがあっていないのか?それとも「プロダクトをマジで最高にする」の部分がぶれているか?をみるとよさそうですね。 なんか大体後者な気もします。(推測)
ただ、個人の肌感なのですが、今回参加してくれたメンバーはわりと「プロダクト志向」が醸成されてきているメンバーが多いので、そこを引き続き伸ばすで良さそう!!!
チーム内でのスクラムやアジャイルの理解度は合わせた方が良いとかありますかね・・・?
合わせた方がいいです! そして、まず合わせるのは「プロダクトをマジで最高にする」の部分、チームでの言語化。 どうやって体現していくか、みたいなところ。
その後、やり方でいいと思います。やり方の部分は数時間あれば「完全に理解する」と思います。
チームの全員が実力高くないと難しいのかなと感じてしまったのですが、①新人を入れたスクラムはありえるのか?②新人でもアジャイル開発やスクラムのチームの一員として参加し活躍している例があるか、をお聞きしたいです!
チームの全員が実力高くないと難しいのかな
これはマジでそう。というか何にでも言えるのですが、チームの全員が実力高くなきゃいけないのって、いつでもそうだと思います!
①新人を入れたスクラムはありえるのか?
ありえると思います! ただの「やり方」なので。
たしかに最初の「インプット」でチームの出力が落ちる部分はあると思います。でもそれも部分的だと思います。 (Git-Flow使ってるよね/フレームワークがLaravelだよね/使い方学ぼうね/くらいの話)
ちょー何度も言っちゃってますがw 「プロダクトをマジで最高にする」の意識合わせができていれば、あとはただの「やり方」の話だと思っています。
ドメインの理解/ユーザーとの対話/チームワークをうまく保つところ、などのマインドがあれば新人でも(?)活躍できるかな、と思います。
技術をチームに持ち込むには?みたいなところ
学び続けること!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
おわりに
最後に良い置き土産を残せたんじゃないかな〜と思います。
自分の会社でアジャイル/スクラムを1人で勝手に推進してきましたが、最終的に興味を持ってくれている人がたくさん増えている(スクラムフェス大阪2024もたくさんの人が参加してくれた)のがとても嬉しいです。
これからも頑張って欲しい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!