ごきげんよう、あすみです! これはNE Advent Calendar 2022の21日目の記事です!
去年はアドベントカレンダーを3つ埋めたので、成長しなきゃ・・・とガメつく5日分も抑えてしまいました🐢 今日から5日間よろしくおねがいします!
今年の5月頃から、Kindle端末を貰ったことをきっかけに1年に1冊読むか読まないかくらいだった私が15冊ほど本を読むことができました😃 知識を埋めるための入門書ではない && 自分の感情に残った節がある本を紹介していきたいと思います😗
本日は「みんなではじめるデザイン批評―目的達成のためのコラボレーション&コミュニケーション改善ガイド」という本の紹介をしていきたいと思います。 216ページの本で、3時間くらいでサラっと読むのがおすすめです。
どんな本?
「デザインのレビューをする」時にどのようにするのがいいの?というのが書かれている本。 批評をする側のベストプラクティスにとどまらず、批評をされる側のベストプラクティスについても触れられている本。 本書はデザイン軸で書かれているが、デザインのみではなく人が人に意見を求める上でのコミュニケーション全てに適用できる話だな〜といった感じ。
この本のスキな部分
「批評を受ける人」は「褒められにいく」にいくのをやめよう
最初でも触れたが、この本は「批評を受ける側」の心構えについて言及している。 今まで、批評(レビュー)をする上で気を付けるべきことのような記事などはみたことがあったし実際に気をつける、ということはしたことがあったが、批評を受ける側として気をつけようと思うようなことはあまりなかった。 本を読み進めてく上で、たしかに受ける側も気をつけるべきことが多くあるな、と気付かされた。
以下はその中の1つ。
何かを作るというのは感動的なことである。1人であろうとチームの一員であろうと、作ったものを認めてもらいたいと思うのはしごく当然。だがそれを、フィードバックを求める同期にしてはならない。(中略)どんなに正しい意見をもらおうと、それ(もっとうまくできたはずだといったフィードバック)を聞くための心の準備がきちんとできていない。自己防衛が過剰になる人もいれば、反対意見を述べてフィードバックの信頼性を下げようとする人もいる。
(第2章 批評とはどのようなものか)
超〜〜〜耳が痛いですね!🧏 本当にその通り!!
「批評」がある目的は「成果物を適切に完成させる」ことだなと強く気付かされたので、「褒められ」にいくのはやめよ、と思いました。 デザインができた後のコーディング爆速でやって褒められましょう。😆
この節は読み進めていく上での自分の中の衝撃で、ぐいぐい引き込まれた節だったので抜粋しました。
「批評を受ける人」は「ジャジャーン」をやめよう
「ジャジャーン!これが完成した作品です」。そう言って作ったものをお披露目し、拍手喝さいを待つ……。
沈黙
(中略)デザインを披露する相手は、全てではないにせよほとんどがはじめてそのデザインを見たのだから、自分が目にしているものに対する直感的な反応を覚えるにすぎない。それは反応型のフィードバックであり、前に説明したように、デザインのイテレーションや改善にはほとんど役に立たないのだ。
(第5章 批評のファシリテーション)
反応型のフィードバックというのは、瞬間的で反射的なもの、より感情に近いもので、批判的思考(クリティカルシンキング)が欠けているもの。 そのようなフィードバックは優れているものではないのだが、「ジャジャーン」はそれを引き出しやすくなるようなものになってしまう。
ではどうしたらいいか? それは、「途中経過 = インクリメンタル・プロセス」もきちんと見せることで回避できる。
インクリメンタルなデザイン開発とは、積み上げ型でデザインを完成させていくもの。 パーツごとで達成したい目的を完成させていくこと。
デザインの完成物を唐突に出すのではなく、途中経過を見せてもいい、というのは結構衝撃だった! なんとなく、できあがったデザインを見せるもの、と思っていてしまっていた。 が、批評をされやすくするためにそのような選択を取るのは合理的だな〜と思った。
どちらの言葉も、アジャイルとかスクラムとかでも出てくる文脈であり、これはデザインにも適用できることらしい。なるほど〜〜〜〜〜〜個人的にはしっくりきた。 適切な批評をしてもらいやすくするための手法として有効だな、と感じた。
優れた批評は「質問」である
優れた批評は、意見の表明というよりは質問といった方がいい。
(2章 批評とはどのようなものか)
これは、「批評するあなたは、思い込みをしていませんか?」ということ。 現在の「あなたの意見」にたどり着くまでのプロセスは、成果物を作った人がたどったプロセスとは全くもって違う可能性がある。 成果物に違和感がある場合は、その人がその成果物にたどり着くまでのプロセスを「質問」によって明確にした上で、適切な「批評」をしましょうという話。
レイヤーは違うが、これは「他者と働く」にて言及があったナラティブの話に似ているな、と感じた。
「批評をする人」は長所・短所・長所のサンドイッチ手法をしよう
私たちはマイナスの要素、つまり問題を引き起こし、障害となること、変えた方がいいと思うことに注目しがちだ。常々プラスの要素はあたりまえだと決めてかかっている。(中略)でもそれは危険だ。思い出してほしい。批評は正直な分析である。成功しているかどうかに関係なく、デザインとその目的に注目したバランスのとれたものでなければならない。したがって、うまく機能していることとその理由について話をするのも同じように重要なのだ。
(2章 批評とはどのようなものか)
これは自分がレビューする時にも気をつけたいことだが、確かにPRのレビューでも「ここが微妙じゃない?」というところに注目してコメントを多く残しがちだ。 本書では、これはバランスの悪い「批評」だと述べている。脱帽、確かにそうだ。 レビューをする上で「ここめちゃくちゃいいな〜」と思ったところについてもきちんと言及することを忘れない様にしよう、と思った。
批評において、本質とは関係ない部分でお互いの心がイガイガしたりすることはよくあることだと思う。極端に言えば、人格否定に捉えられたり、捉えてしまったり。 自分も不意にやってしまっていたり、やられていると捉えてしまうことがある。 これは「そう思ってしまうこと」は一概に悪いこととは思っておらず、お互いの配慮で十分に防げるところを怠っていることが悪いことだと考えている。
それを防ぐ簡単な1つの方法、それが「サンドイッチ手法」だ。 「肯定的な意見」の後の「否定的な意見」は受け入れられやすい、「否定的な意見」で終わらせずに「肯定的な意見」で終わらせることでポジティブな気持ちで終えられるという単純な批評のテクニックの話。 やりすぎるとちょっと気持ち悪いが、自然にできれば、コスト低く不要なコミュロス防げるな〜と感動した。 この本を読んでからは実践するように心がけている。
まとめ
普段からコミュニケーションを気をつけている方(だと思う)ので、「目から鱗!」みたいな情報があった訳ではなかったが、 それめっちゃ大事だよな〜、と改めて思えたり、これ全員が気を付けるようになったら不要なコミュロス起こらないな〜と思える本だった。
人とのコミュニケーション(ひいてはレビュー対応)において、本質でないところについてモキモキする・されることがある人は是非読んでほしい。